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ただ一つの一対
第8章 聖夜の狂乱
絞まる首に呼応するように、膣も締まる。自分と他人、生と死が混濁した世界に残るのは、強烈な快楽のみ。自由であるはずの菊も呼吸がままならず、息を乱していた。
片倉の体が痙攣を起こし、絶頂に導かれても、菊は手を止めない。粘着質な音を立てるそこは、菊も初めて味わう締まりを見せる。
「く、う……っ!」
片倉が果てるまでは持たせようと考えていたが、下半身から沸き出す熱は止められない。根まで一気に突き込むと、白濁を放出した。
片倉の膣は、それを胎まで飲み干す。喉を鳴らす音が聞こえるくらいに激しく痙攣を起こしていたが、菊の両手にしがみついていた片倉の指は解けて落ちていた。
「……逝きましたか」
菊は自身を引き抜くと、手を離す。片倉の細い首には、赤黒い痣がはっきりと残っている。だが表情は苦悶がなく、どこか晴れ晴れとしていた。
「不思議なものですね。あなたは誰よりも醜い感情をぶつけてきたのに、こんなにも美しいではありませんか」
口付けても、もう片倉が反応する事はない。肉と化した舌を吸い軽く歯列をなぞると、菊は立ち上がった。