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ただ一つの一対
第9章 ただ一つの一対
 
 菖蒲は菊の背に腕を回し、もう離れないように抱き締める。血が足りないのか、菊の体は冷えていた。せっかく一つになっても儚く消えてしまいそうで、菖蒲は抱き合ったまま共にベッドへ寝転がる。上になった菖蒲は体を温めるように寄せながら、菊の首筋に唇を落とした。

「叔父さん、体冷たいよ。あっためてあげる」

「ちょっと……待ってください、そんな事されたら、反応してしまいます。駄目です、お腹の子に障るような真似は――」

 だがその時、ドアがノックもなく開く。現れたのは、怒りの形相を浮かべた老医師。彼は足音荒く中へ入ってくると、血まみれになった菊の肩を掴んだ。

「まったく、病院に来て傷を増やす馬鹿がどこにいるんですか。盛るのは結構ですが、感染症で父子共に命を落としたら洒落になりませんぞ」

 すると老医師の言葉に、菊より早く菖蒲が頭を下げる。

「ご、ごめんなさい! あたし、つい……叔父さんは悪くないんです、あたしが襲ったんです」

 菖蒲が菊から身を離せば、老医師は途端に笑みを浮かべ菖蒲の頭を撫でた。

「お嬢さんは謝らんでもいいんですよ。妊娠中に性欲が旺盛になるのは、自然な事なんですから」
 
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