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ただ一つの一対
第9章 ただ一つの一対
 
「叔父さん、片倉さんって……辞めちゃったの? さっき、片倉さんがいないって話してたけど」

 菊は内心どきりとしながらも、平静を装い頷く。菊は、宗一郎との関係もそうだが、いくら菖蒲が受け入れると言っても、全てを馬鹿正直に話すつもりはない。話しても改善出来るものではなく、ただ無駄に重荷を背負わせるだけの告白なら、墓場に持って行くつもりだった。

「……ええ、急ではありますが」

「そっか。そうだよね……片倉さん、叔父さんの事、本気で好きだったから。あたしが言うのは筋違いだって分かるけど……辛いもんね」

「菖蒲が気に病む必要はありませんよ。片倉が恨んでいるのは、僕だけです」

「片倉さんは、叔父さんを恨んでなんかないよ! だって片倉さん、あたしに『若を幸せにしてほしい』って頼んでくれたんだもん」

「片倉が?」

 菖蒲はしばらく口を閉ざすが、意を決して菊を見つめる。

「あのね、クリスマスイブの日なんだけど。片倉さんがあたしに、叔父さんが倒れたって知らせてくれたんだ。それで片倉さんの車に乗って移動してる時、話したんだけど――」
 
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