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ただ一つの一対
第1章 失恋した男
触れているのは自身の手だが、脳裏に浮かぶのは年下の男の感触だった。閉じた足が、微かに開く。わずかに肌が擦れただけで、全身が粟立つ。ただそこに座っているだけ。だが片倉はこの瞬間、菊に抱かれていた。
「くっ……」
掌が、豊満な二つの膨らみにそろそろと伸びる。厚めの布越しに尖りを摘めば、それは菊の与える快楽になる。先端から走る電撃に悶えながら、足はどんどん開いていく。元々最低限の局部しか隠せていなかったバスタオルは、濡れて開く女の花を隠す事が出来なかった。
欲求は、なおも止まらない。菊は身勝手に行為を止めたとしても、手温く責めで解放する事はない。濡れそぼった秘裂へ指をあてがい、一気に二本突き刺した。
「ああっ……!」
片倉は腰を浮かせ、溢れる蜜を垂らしながら震える。目覚めた性は、躊躇いというものを忘れてしまう。ソファに身を預け、目を閉じ幻に浸りながら、自身を追い詰めていった。
「若……若っ……!!」
名を呼べば、感度はさらに上がる。いやらしい水音に混じる健気な叫びが、本物の菊に届く事はない。片倉を慰めているのは、あくまで細い自身の指だった。