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ただ一つの一対
第1章 失恋した男
長い長い責め苦の後、虚ろな目で揺さぶられるだけの人形となった女。最後、菊は自身を引き抜くと、愛液で濡れたそれを女の口にねじ込んだ。
「んっ……ふ、ううんっ!」
そして喉の奥へ、精液を叩きつける。菊の苦味と、自分の愛液の生臭さ。色狂いとなった女は、何をされても菊に逆らう事はない。交わる不快を、躊躇わず飲み干した。
「さて、本題に入りましょうか。あなたの旦那様である酒田氏は、近くに開催される七星旗の主催ですね。実はその大会にうちの姪っ子が出場する事になったので、少々便宜をはかっていただきたいんです」
「……姪の、大会? 七星旗って……あれよね? 剣道の」
「そう、剣道です。僕の姪は小さな頃から剣道を習っていまして、16歳ですが既に二段持ちで、時が来ればすぐ三段も取れるでしょう」
「え、ええ……それで、その子を優勝させればいいのかしら」
「八百長などあの子には必要ありません。僕の頼みは一つ、一回戦で、優勝候補と言われている三浦選手と対戦させてほしいんです」
思いがけない頼みに、女は目を丸くする。わざわざ強い相手と当たらせるなど、普通では考えられなかった。