この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ一つの一対
第4章 花園への道
 
 菖蒲は自分の指を弄りながら、恐る恐る切り出す。

「あたし、今日は家に帰る。お父さんに電話したら、迎えに来てくれるって。今こっちに向かってる」

「帰るって、どうして。成実が何か、失礼な事でもしましたか?」

「ううん、成実さんはすごくよくしてくれたよ。誰が悪いとかじゃなくて、あたしがそうしたいの」

 泊まらずに帰るなど、菖蒲が行き来するようになってからは初めての事である。菊が言葉に詰まっていると、菖蒲はさらに続けた。

「それとね、今度の大会が終わるまでは、こっちに来ないで地元で練習しようと思うの。特別な先生に指導してもらうんじゃなくて、自分の力だけで勝ちたいから」

「つまり、大会が終わるまでは泊まりにも来ないと?」

「うん。でもね、大会は見に来てほしいな。あたし誰よりも強くなったって、証明してみせるから」

 そう言われてしまえば、菊に引き止める言葉はない。叔父と姪、親戚ではあっても家族とは違うのだ、距離が少し遠くなっても、無理のない関係である。

「それとね、もう一つ。あたしが優勝したら、お願いがあるの」
 
/219ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ