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第2章 どなた、ですか？

Ｋ県立大学附属病院は高度救命救急センターの設けられた施設だ。

最近ではよく耳にするドクターヘリ、
と呼ばれるモノだっていち速く導入して
この関東近辺で起こる天災やそれに伴う二次災害時には
早くから対応してきた。


第一線では老舗の病院。

な、筈なのですが。


実際、その質、を問われたら
まだまだ、甘い。

だけどそんな中で、異色なのはやっぱり
救命センター。

ここは、プロばかりが揃っている。


救命、と聞いただけで想像するのは

不眠不休。


環境劣悪。


厚生皆無。


要は、しんどすぎてビックリしますよぉー、ってな事だ。


救命に携わるスタッフは
ほぼ、表だった文句は言わず(いや、めちゃめちゃ言ってるけどね)
疲れた身体に鞭を打ち(いや、めちゃめちゃハメ外してるけどね)

その業務に邁進する。

辞めていくのは、よっぽど嫌になったか

続けられなくなったか

どっちかだ。




三宅師長から話を貰った２日後
あまりにも速すぎる異動を果たした私は
とうとうこの、激戦区へ足を踏み入れてしまった。