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天使と悪魔は暁で交わる
第2章 どなた、ですか?

7メートルなんて
落下したら、大体頭部外傷、内臓損傷でショック状態だろうに。
この患者はまだ、呻いている。



まぁ、内臓がやられてる事は間違いない、か。


「下に何かありました?」

ディスポをはめながら
引き渡し確認中の救急隊員に尋ねた。


「あぁ、緩衝材を積んであった方へ足場が崩れたので
その上に」

それ、大事だから。
一番最初に言ってよ。

命の一刻を争う現場で
最重要事項が二の次に伝えられる事はよくある事。


腹部超音波を引き寄せ、無精髭ドクターの傍らへ


「エックス線は?」
「あ、ポータブル!こっちお願いします」
「あなた、スタット?」

採血を終えたばかりのナースが
私の出で立ちを上から下まで往復した。

救命ナースはスラックス白衣。

病棟.外来ナースはスカート白衣。


そう、制服が違うのだ。
何故って?

救命ナースの動き回る率が他の部署とは格段に差があって
その動作には上下の運動も多く含まれる。

スカートよりもスラックスの方が何も気にせずにいられて
効率的という理由からだそう。




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