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天使と悪魔は暁で交わる
第2章 どなた、ですか?
★★★★★★★★★
ま、眩しい……
朝陽……じゃないのに
もうすぐ昼陽なのに、眩しすぎる。
ER初夜勤は怒濤の歓迎をしてくれた。
いや、知ってるよ?
救命だもん、ドクターだってナースだって
ホントにギリギリのギリで働いてるの。
知ってるし。
だから、当たり前なんだ。
これっくらい、当たり前。
だけど、また、7時間後にはここに来て働いてるっていうね?
いや、ヤリますよ。
ちゃんと来ますし。
こなしますよ。
と、信号待ちの間に自ら言い訳めいた独り言ツッコミを披露しながら電車に乗り込んだ。
勤務先からたったの2駅。
自転車にすればいい?って。
わたしのアパートはJRに乗って2駅、時間で言えば
そうだなまぁ8分かしら。
自転車、ね。
自転車には乗りたくないんだ。
じゃあ、原付?
だって、帰りに飲んで帰れなくなる。
自転車もだぞ、と
どこから聞こえてきそうだけど……。
電車が一番だ。
まぁ、停まる事も多いんだけど
でも、必ず目的地まで運んでくれる。
駅に着いて
改札を抜けて
何も考えずに歩いていく。
早く帰って寝なきゃ。
ただそれだけの本能に従って駅を出た。