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天使と悪魔は暁で交わる
第2章 どなた、ですか?



いやいやいや、ちょっと

ちょっと?

わたし、今まで一度だって言ったこともなけりゃ
思ったこともありやせんけど??

これも声を大にして言いたい。
が。

「赤坂さんなら大丈夫です、って
推しちゃった」


ちゃった?
ちゃった、ってそんなはにかみいらないですよ?
三宅師長。

「ね、そろそろ外科じゃ物足りないないんじゃないかな?
なんて、思ったりしたのよね」


てへ、ってな年頃じゃないだろうよ、師長さんよ。

いかにも、ヤっちゃったけどもちろんヤッてくれるよね?
私は師長だし。

という、無言の圧力

権力の暴力ともとれるソレを振りかざす??


「もちろんね、あ、ちょっと」


ちょいちょい、とわたしを招き寄せて
耳打ち開始……

小さい会議室の中で肩を寄せ合う上司と部下。

「……なのよ?どう?」


「えええええっ」


どう、って、どう、ってー??


わたしの目はきっとYENマークがスロットマシンのように
回転しているだろう。


カシャカシャ、揃う。
カシャカシャカシャカシャカシャカシャーーーー

きたぁぁぁぁぁぁぁぁ!

って、やっぱりお金にまける生き物なんだ、結局な。
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