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再愛
第6章 再愛
仕事終わりに、あなたに一目会いたくなった日があった。

あなたは仕事を抜けて、そっと会いに来てくれた。

どうしょうもない程、落ち込んでしまう日だってある。
何もかもが上手くいかない日。

駅のベンチであなたを待っていた。

あなたはそっと近づき、頭をポンポンと叩く。

びっくりして見上げたら、あなたの笑顔があった。

私は我慢していた涙が溢れた。

「おっ…おい、夏海」

焦ったあなた。

止まらぬ涙をハンカチで拭っても、涙が止まらない。

「泣くのは我慢するな。
我慢出来なくなる程、夏海は我慢してきたんだから」

あなたは隣に座り、頭をポンポンする。

「泣き止んだら、キスするか?」

ヒクヒクとしゃくりあげながら、涙を止めようとした。

「泣きたくなる程、辛い日もあるさ。
俺にだってある。
だけど、男は辛いな…人前で泣けない。
泣く事をカッコ悪いとすら思う。
悲しい時は、我慢すんな。
こうして、抜けてきてやるさ。
夏海とキスする為に」


あなたのキスは、悲しみを上回る程…
幸せな気持ちにしてくれた。
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