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第6章 再愛

誘惑に負けるのも簡単。
理性を保つ事も出来なくなる程、
私は寂しさに溢れた心を、ほんのひと時でも癒してくれる時間が欲しかった。

自分本位の我儘であっても…

あなたは私に言ったの。

『男と女がこの世に居る限り、
結婚しても、男と女。
ずっと、この人を裏切らずにいれると思い、婚姻関係を結んだはずなのに、こんな風になっちまう。
子はかすがいって言うけど、男と女として生まれた限り、死ぬまで男と女。
男でいたい、女でいたい…そんな気持ちの正直な現れが、この形だった。
だから、夏海の気持ちに寄り添える。
俺たちは似てるな』


時に、私達はなんで不倫なんてしてしまったと罪悪から自答した。

決して、弁解なんてしてはいけないけど、
敢えて言うなら、ほんのひと時の優しい時間に恋をした。
女である事を諦めなかった。

それだけ。