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第6章 再愛

私と結婚した晃司。

姉は、何にも言わなかった。
言える立場でもない。

晃司はもっと近い場所から、姉を見る様になる。
《義理のきょうだい》になったのだから。



それでも…
結局、過去に縛られたのは、晃司と姉だった。

私には美樹という子供が居る。
夫、晃司との間に出来た愛しい娘。

怖いもんなんてない…はずだった。
晃司も美樹を可愛がってくれていた。

私に似ている美樹は、姉にも似ている。

過去さえなかったら…
私と晃司は幸せだったのだろうか？

姉さえ居なかったら、晃司は……
私を真っ直ぐ愛してくれたのだろうか？


捩れた糸は、解ける事なく、悪しき因縁を辿る。

おかしくなり始めたのは、晃司をあっさり振って一緒になった男と姉が離婚してからだ。


子供の居なかった姉は、実家近くで一人暮らしをしながら、近くの工場の事務員として働き出した。

寂しくなった姉が頼ったのは…晃司だった。

私に隠れて会う様になり、不倫関係になった。

幼い美樹を抱えて、晃司と姉の裏切りを知った時、はらわたが煮えくりかえった。

バカな晃司は、私に正直に話した。
隠しておくのが、辛くなり泣きながら‥

私は、泣き喚き、ヒステリーを起こし、実家の両親と姉に抗議した。

晃司のご両親にも同席して貰い、家族での話し合いの場所を設けた。

姉は両親から、勘当を言い渡され、晃司は二度と会わない約束を取り付けられた。


姉は、私にひたすら謝ったが、許せなかった。
この事で、私の心は深く傷ついた。