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再愛
第6章 再愛
晃司は、あの時、こう言ったの。

「夏海…ごめんなさい。
心に嘘はつけない。
夏海と美樹を見ていたら…キツイいんだ。
千鶴を忘れられない、俺の狡さが…

ごめんなさい。
千鶴が好きなんだ。
忘れられないんだ。
夏海を愛そうと思った。
夏海と一緒に居る事で、千鶴を忘れられると思った。
美樹の事は、勿論、愛してる。
だけど…
千鶴を…」


私は、晃司を殴っていた。
最後まで聞いてやらない。
千鶴を愛してるなんて言葉、
聞きたくない!

こんな侮辱…

有り得ない。

私は晃司を愛した。
愛していたから、結婚して美樹も授かった。
お姉ちゃんが居なかったら、上手くいっていた。

忘れられない女が居たとしても、
普通は…自分に家庭があるなら…心に閉まっておくもんでしょ?

よりによって…
なんで、お姉ちゃんなの?

あなたを裏切ったのよ?

ずっと、あなたを…
あなただけを見てきたのは私じゃないの‼︎


私の心は、晃司も姉も憎み、呪い、罵り、収まりがつかない程の怒りの炎が燃え滾った。


あなたたちを許さない。
身を引いてやるなんて事、しない。
私に恨まれながら、苦しめばいい。

私も姉とは縁を切った。

『もっと、苦しみなさいね?
誰も味方の居ない孤独の中で。
そうなった自分を呪いなさいね』


私は…姉とそれっきりになった。
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