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再愛
第6章 再愛
一心さんに惹かれ出した自分に気づいていた。

私は美樹が言う程、ウルトラ級の鈍感でもない。

一心さんだって、好きでもない女とその子供持参のデートをしないだろう。

でも、自分に自信を失っていた。

恋をして苦しいのは、もう嫌だ。

また愛されない結末を迎えるのが怖い。

女だもの。

いくら擦れた過去が同居しょうとも、やっぱり幸せになりたい。

ただ、傷つくくらいなら、このままでいいとすら思う。

一心さんと友達のままなら、きっと哀しい結末はない。



そんなある日の休日の朝、

「今日はパパとデートするから、ママも気兼ねなく、いっくんとデートしてきな」
と、美樹が突然言い出した。

私に気を遣う様に、晃司と約束をしていたのだ。

「美樹‥‥」

「ママ、パパだって、私に会えないと寂しいの。
私はママとパパの子だからね。
パパは永遠に私のパパ。
ママがパパに戻れなくても、私はパパが必要。
でも、ママにもちゃんと幸せになって欲しい」


「勿論よ、美樹。
美樹が好きな時にパパに会っていいの。
でも、ママに気を遣わないで」

「気なんて遣わない。
パパにね、今日はピアノの発表会に着る洋服買って貰うの。
渋谷でデートよ」

「そう、それは良かったね」

「ママも、デートしてきて」

「えぇ‥‥
でも、美樹は平気なの?」

「いっくんならね」

私は、まだまだ小さい美樹に気を遣わせてしまう、
ダメな母親だ。


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