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再愛
第3章 君を知る
俺は一口、珈琲を飲んだ。
出来るだけ緊張を和らげ、樹良の話を聞こうとした。

樹良は、少し悲しげな表情になり、
こう、ハッキリと告げた。


「最初に言ってしまった方が、
こうなった経緯(いきさつ)が話しやすいかな…
私の母、半年前に亡くなりました」


え!今、何て言った⁈
聞こえてはいたが、聞き間違いであって欲しいと祈る。

「胃癌でした。
気づいた時には、もう末期で手遅れの状態で…」

「ほ…本当なのか⁉︎」

「はい」

俺は驚きを隠せない。
頭をハンマーで思い切り叩きつけられたような、ショツクを覚えた。

目の前の樹良は淡々と話し出す。


「母が亡くなってから、
父に、母の遺品整理を頼まれました。
父と言っても、私が12歳の時からです。
母は、再婚したんです。
だから、里中じゃなく、秋吉の姓になったんです。
私も、秋吉を名乗るようになりました」


俺と別れてから、蛍は再婚していたんだな…
次々と明るみになる事実と向き合う事に、恐怖すら覚える。
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