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再愛
第3章 君を知る
驚きを隠しきれない俺を気づかってか、
やや、柔らかい表情を作りながら、話を続ける樹良。

「杉下さんの存在を知ったのは、母の鏡台の奥に、そっとハンカチで隠すように置いてあった古い手帳でした。
杉下さんの名前は書いてありませんでしたが、多分、この日に会っていたんではないか?を思わせる日付に、場所やその日に食べたものなどが丁寧に記してありました。

博物館の入場券やラーメン屋の半券まで挟んであって…

どちらかと言えば、ズボラな母。
それは、とても不自然な行動に思えました。

それからかな…
直感を働かせて、母の遺品を片付けながら、ここに来るまでの道のりを追ったのは。
母のパソコンを開いて、履歴を見ると、母のブログに辿り着いたんです。
趣味で絵手紙を習っていたんで、その作品を飾ったり、そこにポエムが添えてあったり…
読んでみると、不思議な感覚に陥りました。
恋する女の気持ちが情熱的に綴られていて、母の、本当の姿を思い知らされたような気がしました」
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