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再愛
第4章 今日という、1日
どうしょうもない程、落ちてしまった心を紛らすように、酒を飲んだ。

この場所は、蛍と何度目かのデートで来た店。
普通にランチも食べられれば、酒も飲めた。
カウンターで、バーテンダーがカクテルを作りながら、パフォーマンスなどもしている、アメリカンカントリー調の少し洒落た店。

蛍はミモザを頼む。
俺はジンバック。

昼酒を煽り、日頃の労を養ったりもした。

蛍と会う日は平日が多かった。
歯科衛生士の蛍は、大概、木曜休み。
土日になかなか家を空けられないのも、不倫の恋の制限みたいなもんで、諦めもつく。

特別な会議などが入ってない、木曜の午後に半休を取って、逢瀬の時間にあてた事もあった。


会って、セックスをする関係になろうとも、
する前に、恋人のような時間も必要だった。


君との会話は楽しかった。


「贅沢な休日だわ。
こうして、昼間から哲朗さんとお酒なんて」

「会社サボって飲む酒は、格別に美味い。
それに、蛍を酔わせて、これから何しょう?」

「あはは。
ご主人様、何なりとお申し付け下さいませ」

ホロ酔いの君は、とても面白かった。
そのノリが、エッチな気持ちを盛り上げたりした。

今日は、久しぶりに一人で来たよ。
ジンバックとミモザを頼み、君を偲ぶよ。
形だけでも乾杯をしょう。

ミモザを見ていたら、泣かなくて済むかもな…
エッチで、おバカ可愛かった君を思い出して。
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