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再愛
第5章 fake
妻の詩織とは、大学時代のスキー同好会で知り合った。
同い年で、何度か同じスキーツアーや飲み会などに参加するうちに、互いに好意を持ち、付き合うようになった。
センスのいい高そうなウェアに包まれ、白銀の世界を滑る彼女は、姫と呼ばれる程の気品と器量があった。
そんな詩織と付き合い出した俺は、よく仲間達からは羨ましがられた。
あの頃は、詩織に釣り合う男になろうと必死になれた。
卒業後も付き合いは続き、いい会社に就職し、仕事が出来る男を見せつけるかのように、アピールもした。
お嬢様気質の詩織は、腰掛けのつもりで自分の父親が経営する薬品会社に就職するが、長くは勤まらず、俺との結婚を強く望んだ。
詩織を自分のものにしたいという気持ちだけで結婚に踏み切った。
勿論、それが幸せな道なんだと疑いもせずに…
裕福な家庭に育った彼女は、何でも形に拘った。
結婚式は、南青山にある有名な教会で、ドレスは好きなデザイナーのものにしたい。新婚旅行はスイスでスキーかな?スキーは、私達の馴れ初めみたいなもんだし、アルプスの少女ハイジを満喫して、フォンデュ食べて、新居は夜景が綺麗なマンションがいいわ。家具は北欧風、それに似合う食器、子供はまだいらないわね。
二人っきりを存分に楽しまないと。
まるで理想と夢物語を語られているようだった。
全部叶えてやれる程、俺の収入は追いついてない。
「哲ちゃんは心配しないで。
パパが結婚祝いにやってくれるから」
そう言って、自分の望みは何でも父親に叶えて貰った女。
同い年で、何度か同じスキーツアーや飲み会などに参加するうちに、互いに好意を持ち、付き合うようになった。
センスのいい高そうなウェアに包まれ、白銀の世界を滑る彼女は、姫と呼ばれる程の気品と器量があった。
そんな詩織と付き合い出した俺は、よく仲間達からは羨ましがられた。
あの頃は、詩織に釣り合う男になろうと必死になれた。
卒業後も付き合いは続き、いい会社に就職し、仕事が出来る男を見せつけるかのように、アピールもした。
お嬢様気質の詩織は、腰掛けのつもりで自分の父親が経営する薬品会社に就職するが、長くは勤まらず、俺との結婚を強く望んだ。
詩織を自分のものにしたいという気持ちだけで結婚に踏み切った。
勿論、それが幸せな道なんだと疑いもせずに…
裕福な家庭に育った彼女は、何でも形に拘った。
結婚式は、南青山にある有名な教会で、ドレスは好きなデザイナーのものにしたい。新婚旅行はスイスでスキーかな?スキーは、私達の馴れ初めみたいなもんだし、アルプスの少女ハイジを満喫して、フォンデュ食べて、新居は夜景が綺麗なマンションがいいわ。家具は北欧風、それに似合う食器、子供はまだいらないわね。
二人っきりを存分に楽しまないと。
まるで理想と夢物語を語られているようだった。
全部叶えてやれる程、俺の収入は追いついてない。
「哲ちゃんは心配しないで。
パパが結婚祝いにやってくれるから」
そう言って、自分の望みは何でも父親に叶えて貰った女。