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再愛
第6章 再愛
蒼に惹かれ出したのは、小さな頃から本を読んでいるだけあり、沢山の素敵な言葉を知っている事が始まりだった。

『月、今日も清々しい朝を迎えた。
仕事に行くのは億劫だけど、通勤電車から眺める景色は好きなんだ。
晴れた景色は、空の色も綺麗だ。
この空は続いている。
月と同じ空の下に居るんだね。
今日も、月が沢山の笑顔に出会える一日であります様に』

こんな素敵なメールが、朝の決まった時間に届く様になった。

出会い系の男でも、マトモな人は居るんだと思う様になる。

私は、朝が楽しみになった。

蒼に負けない様な素敵な言葉を探す様になった。




おはよう。
一日が始まるね。
毎日がゼンマイ仕掛けのように、
決まった日常を無意味に送っていた事が、
蒼に出会えてから、楽しいと思う様になったよ。
朝に届く、蒼からのメールが嬉しくて、
今日も一日乗り切る糧になる。

有難うをいっぱい伝えたくなる。
有難うって、私の大好きな言葉。


大人の恋の始まりだった。
たった一通のメールでも、幸せになれたのだから。
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