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アホはお前じゃ 
第3章  
 上の子が眠ったあと寝室から出てきた大基は食卓の上の煙草を手に取ると、


「しぶといガキやのお。やーっと寝たわ」


 と、かったるそうに首を左右に捻りながら1本取り出して火をつけました。


 そして私が身に付けたエルゴの中で揺られている次女の寝顔を覗き込むとほんの少しだけ口元を緩め、それから私の顔を見つめて言いました。



「お前によお似てぶっさいのお」と。



 反論の余地もありません。
 そうね、と答えた私の傍らで大基は鼻歌交じりにユニクロのステテコを脱ぎ捨てると、ド派手なアロハ柄のハーフパンツに穿き変えました。


 そして寝巻きのタンクトップは着替えずそのまま、ポケットに煙草とライターとガラケーと鍵だけをポケットに突っ込んで家を出て行きました。


 あ、あと財布も忘れずに。


「ラブホ代、とりあえず1万よこせ。途中で絶対デンワしてくんなよ」


 というセリフ付きで。





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