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アホはお前じゃ 
第3章  
 そりゃ、そうでしょう。

 大基の身長は187センチです。
 体重は98キロ。

 ただでさえでかくて威圧感があるのに、そのうえ坊主頭に筋髭などといういかつい風貌です。

 肌は日焼けで真っ黒で、そのうえ前途した服装に足元はハワイアナスのブラジル柄ビーチサンダルをひっかけた、いかにも柄の悪そうないでたちだったんですから。


 そんな男が雑踏に混じって近付いてくるんです。


「もしかして、後藤綾香さん?」


 そして、いかつい顔で自分の顔をしっかり見つめ、自分の名前を呼びながら、煙草を挟む手で自分を指さしてきたんです。

 そりゃ、怖いと思って当然でしょう。

 だから綾香ちゃんは大基に背を向け、一瞬だけ走り出そうとしたそうですね。


 無理もないと思います。
 お嬢様育ちの綾香ちゃんが関わりを持ったことのない・・・
 いえ?
 持ちたい思ったこともないような男だったんですから、綾香ちゃんが怖がるのは当然のことだったと。


 けれどすぐに思い直したように振り向き、目の前まで近付いてきていた大基の顔を恐る恐る見上げながら小さい声で「はい」と答え頷いて見せたのは、なぜだったんでしょう?


 データを受け取りたかったからなのでしょうか?
 ちがいますよね?


 あくまでも大基から聞いただけの話なので憶測ですが。


「遅れてごめんね」

 
 震えながら大基のほうを見つめると、大基が照れくさそうに自分の頬を左手で撫でながら綾香ちゃんを見下ろしていて。


「おれ、こないだ電話した修理屋の中西です。びびらしてごめんね。いきなりこんなオッサンが近付いてきたから怖かったやろ」


 なんて、いかつい風貌に似合わない赤ちゃんみたいな屈託のない笑顔を顔全体に浮かべながら、ぺこっと頭を下げて見せたから。
 

 綾香ちゃんはもしかして、



「この人なら、信用しても大丈夫かも知れない」



 そんな淡い期待を、心のどこかで大基に抱いてしまったのではないでしょうか?




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