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アホはお前じゃ 
第3章  
「・・・ほんで、あの件やけども」


 大基は、からっぽのSDカードをポケットから取り出して見せたとか。
 その途端、綾香ちゃんは大きくてまんまるい瞳を更に大きく見開いたそうですね。


「これが例の」


 そして、大基が机の上に置こうとしたとき、こう言ったと聞きました。


「あ、や!ここじゃ、ちょっと」


 ・・・そうでしょ?
 大基はね、この時点で勃起したそうですよ。
 まさか、こんなに上手く、綾香ちゃんのほうから切り出してくれるなんて思いもしなかったそうで。
 大基のやつね、もし上手く行かなかったら最終的には杵渕先生と同じ手段で綾香ちゃんをヤッてしまいたいとまで考えてたらしいんですよ。

 ・・ふふふ。
 でも、そうならずに済んだのは綾香ちゃんのお陰ですね。
 綾香ちゃん、ありがとう。
 さて。


「ここじゃって?」


 訝しんで見せた大基に、綾香ちゃんは今にも消え入りそうな小さい声で言ったそうですね。


「だって、だれかに聞かれたら・・・」


 ふと見れば、時間帯も手伝ってか、周りは満席です。

 この時、大基は思ったそうです。

 10代の自意識過剰ハンパネェ、ラッキー!と。

 だって大基のセフレの中学生Kちゃんは、サイゼリヤで食事中平気でオナニーの話を連発するような子だそうで。
 高校時代の同級生たちもみんなそんな感じでしたので。

 要するに、大基にとっても綾香ちゃんは未知の人種だったわけです。


「うーん・・・じゃあ、場所変える?」
「はい・・・」
「どっかメシでも?」
「それはでも・・・万が一誰かに聞かれたら・・・」
「そうかー。じゃあ、誰にも聞かれずにすむような、おっちゃんと2人きりになれる場所がええゆうことなん?」
「はい・・・」
「ほならカラオケは?」
「カラオケ・・・は、もう時間が・・・」


 綾香ちゃんの言葉に視線を上げ、店内の時計を見た大基は、もしかしたらホテルに到着するまえに射精してしまうんじゃないかと思うくらい興奮したそうです。
 だって時間はちょうど22時を過ぎたところで、つまるところ、どこからどう見たって18歳以下にしか見えない綾香ちゃんがカラオケ店に入店できる可能性は限りなく低かったわけなんです。


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