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アホはお前じゃ 
第3章  
 この時大基は驚いたそうです。
 なぜって?
 理由は単純です。
 綾香ちゃんの泣き顔が可愛かったから、だそう。

 ふつう人間の顔って泣くと不細工になるもんじゃないですか。
 でも、綾香ちゃんの泣き顔は嗚咽しているにも関わらず醜く崩れることがなく、むしろ瞳を閉じて口を引き攣らせて泣いていも綺麗だったと。

 だから、大基は一瞬だけ、下心を忘れて綾香ちゃんに見とれてしまったそうです。
 忘れたから、こう言ったんだと思います。


「一族の恥かぁ。なつかしなぁ。そんなこと、俺も言われたことあったなぁ」


 綾香ちゃんは真っ赤な瞳でベッドの上であぐらをかいて天井を見つめている大基を見据え、華奢で細長い真っ白な指で涙を拭いながら尋ねたとか。



「中西さんも?・・・なんでですか?」



 大基はハーフパンツのポケットに突っ込んだ煙草を取り出しながら、その問いに答えたんでしたよね?



「なんでって?べつに?俺も高校辞めたから」

「・・・え?」


 赤くなった鼻を擦りながら綾香ちゃんは素直そうな瞳で真っ直ぐに大基を見つめながら尋ねたそうですね。


「ほんまに・・・?中西さんは、なんで辞めはったんですか・・・高校・・・?」



 だから大基は正直に答えたんだと思います。



「なんで?って聞かれたらまぁ・・・喧嘩したからやわな」



 喧嘩という物騒な単語を目の当たりにして綾香ちゃんは大きく目を丸く見開いたとか?


「・・・退学になるような喧嘩って・・・どんな・・・?」



 綾香ちゃんは壁にぺたっとくっつけていた背中を離し、気持ち前に身を乗り出して大基を見つめてたそうですね。


 大基はそんな綾香ちゃんに「ずっとそこ立っとくん?」と声を掛け、それからベッドの目の前にある1人掛けソファにおずおずと越し掛ける綾香ちゃんの純粋で真剣な顔を見て改めて「可愛いなぁ」と思い、しばし見とれてしまったそうです。


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