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第11章 サプライズ -理香side-
祐樹の大きな手が、私の身体をなぞる。
触れられた場所が熱を帯びる。

「…祐樹」
目の前の愛しい人の名前を呼ぶ。

祐樹の唇が、私の耳朶を甘噛みし、首筋を這う。

「…んっ。……んっ」
その柔らかい感触に、甘さを含んだ吐息が漏れる。

もっと。
もっと。

そう願ったのに、私から祐樹の唇が離れ、ぎゅっと腕の中に閉じ込められる。

「このままベッドに理香を連れて行きたいんだけど、18時にレストラン予約しちゃってるんだよね」

頭上の声に促され、壁に掛かった時計を見ると16時を過ぎている。

「2時間じゃ足りないからさ。…ケーキ食べさせて」

「…出しっぱなしだと傷んじゃうしね」
私は火照った身体を鎮めるように、祐樹から離れた。

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