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第19章 弟 -理香 side-
祐樹は私の耳元で、よっしゃんに聞こえないように囁く。
「また、食べさせてあげよっか?」

色気を含んだ低い声に、祐樹の誕生日の情事を思い出し、心臓が高鳴る。
思い出しただけで、恥ずかしい。

「その顔、ダメだって」
赤く染まった頬を、祐樹の両手で包まれる。

「俺がいるの忘れてない?」

マグカップを片手にソファーの肘置きの部分に、私を見下ろすように座るよっしゃん。

三人掛けのソファーの右端に私、真ん中に祐樹、右側の肘置き部分によっしゃんというおかしな状況。

「あっちに座れよ」

「嫌だ。理香の隣がいいから、そっちに詰めてよ」

頭の上で繰り広げられる兄弟喧嘩。

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