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第20章 前進 -祐樹side-
信号で止まるたびに理香の手に指を絡める。
指先にキスをすると、理香は恥ずかしそうに頬を染める。

久しぶりの二人の時間なのに、芳樹に邪魔されて。
どっかに泊まりで出かければよかった…。

理香が足りない。
もっと抱き締めて、キスをして、独り占めしたい。


その為には、二人だけの場所を作らないと。
もうちょっと妥協して探すか?

それほど高望みしているわけでないのだけど…。
俺も理香も職業柄、こだわるポイントがずれてるのかな。


隣に座る理香は流れる景色を眺めながら、時々、俺を見る。
目が合うと照れたように笑う。

走り慣れた会社までの道も、理香と一緒だと楽しい。

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