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第22章 狼 -祐樹side-
それから寝起きの浴衣姿のまま。
頃合いを見計らったかのようにかかってくる電話に対応しながら、俺たちはお互いのノートパソコンと向き合い、仕事を片付けていく。

昨日、電話が鳴らなかったのは奇跡だな。


そうなると朝食を食べに行く暇もなく、旅館の人に事情を話すと簡単なおかずとおにぎりを持って来てくれた。

「朝ごはんも楽しみにしてたのに」
「絶対、朝ごはんの和食膳も豪華だったよね?」
理香はおにぎりを片手にぼやきながらも、マウスを操作する手は止めない。

一足先に仕事を片付けた俺は、そんな理香を眺めながらおにぎりを頬張る。


理香が座卓から落としたUSBを拾う瞬間、浴衣の合わせから、赤い印のついた白い膨らみが見えた。
起きてそのままだから…昨日、外したままか。

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