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第24章 殻 -祐樹side-
山道の途中にある展望台に車を止める。
車を止めても、理香は窓の外を見たままで。

「理香、こっち向いて」

「…やだ」

理香の肩を抱き寄せ、顔を覗き込む。
やっぱり、泣いてる。

なぜ被害者の理香だけがこんなに涙を流さなければならないのだろう。
なぜ理香だけが怖い思いをし、苦しまなければならないのだろう。

頬を流れる涙に唇を寄せ、耳元で囁く。
「もうちょっと俺のこと頼って欲しいんだけど?」

「…もう、十分に頼ってる。
祐樹がいないと、私、何にも出来ないもん」

「それなら、一人で泣くな。
理香は俺を含めて周りに気を遣いすぎで、他人に優しすぎるんだよ」

「そんなことない…」
理香が不服そうに唇を尖らせる。

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