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第26章 才能 -祐樹side-
「───北宮さん?聞いてます?」
電話相手の業者の声で我に帰る。

「すいません、それでOKです。
現場は山本が見に行きますので、お願いします」

電話を切り、ひと息吐く。
これで溜まってた着信は片付いた。
戻ってきてから1時間以上経ってるし。

理香はまだ電話中で。
先に風呂、入るか。

‘ 先に風呂入る ’
書類の端っこにそう書いて見せると、理香は親指と人差し指をくっつけ ‘ OK ’ の形を作って微笑んだ。


着替えを用意して、部屋の露天風呂に入る。
出かけている間に清掃されたみたいで、午前中の痕跡はすっかり消えていた。
まぁ、情事の痕跡は俺が消したんだけど。

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