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第26章 才能 -祐樹side-

こっちはキッチンか？
収納棚にスライドの棚板？
…？
あっ！なるほどな。
調理スペースが少ないから、この棚板を引き出して補助的に使うのか。
これなら動線も悪くないし、コストもかからない。

メモ用紙には、そんな風にいろいろな提案が書かれていて。
楽しそうにこれを書いていた理香の顔が浮かぶ。


メモ用紙の隅っこの走り書き？
‘ いちご ’ ‘ トンボ嫌い ’ ‘ 砂丘 ’ ‘ サボテン ’
客との会話から拾ったんだろうけど、こんなことまでメモに残してるのか。

俺だって円滑にコミュニケーションを図るために、会話からデータ収集はするけど、ここまで細かいとこまで留意しない。

それだけ理香は真剣に仕事してる。
俺も負けてられないよな。

理香の描いた ‘ 図面 ’ を ‘ 家 ’ にするのが俺の仕事。