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第26章 才能 -祐樹side-
“♪〜♪〜♪〜♪〜”

スマホの着信音が鳴り響く。
液晶画面を見ると…原田か。

「お疲れ。北宮、今、電話して大丈夫?」

「お疲れ。大丈夫だけど、どうした?」

「急に2週間も出張って聞いたからさ。
工務のことはおまえのが詳しいと思うけど、今月末までに仕様書の一式、間に合うか?」

「あー、間に合うと思うけど、原田にメールでいい?
それとも3課か設計にメールしたほうがいいか?」

俺が所属する工務部の建築1課が個人の住宅。
建築2課が店舗、建築3課はマンション等の集合住宅を担当している。

「個人的に見てみたいから、俺にメールして。
3課と設計にも俺から回しとくし」

「個人的に?」

「俺、理香ちゃんの設計した物件見たことないから。
設計のやつらも楽しみにしてるっぽいよ?」

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