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第30章 意志 -祐樹side-
さっきまでの重苦しい空気が少し緩んだ気がする。
「そもそも南山は大人しく内勤するようなやつじゃないって、社長もわかってるじゃないですか。
そんなやつならとっくにうちの事務所辞めてますよ」
「…だな。あー、今、設計してる美術館の設計やり直したくなってきた。
妥協したとこやり直したい…いや、全体的に設計し直したい」
芦田社長は頭をガシガシと掻きながら困ったように笑った。
芦田社長って、こんなに感情を出す人なんだ。
穏やかな雰囲気を纏いながらも常に冷静な人…個人的にはそんなイメージを持っていたんだけどな。
目の前で唸る芦田社長は、どこか理香に似ていて。
だから理香はこの設計事務所を選んだんだ。
「そもそも南山は大人しく内勤するようなやつじゃないって、社長もわかってるじゃないですか。
そんなやつならとっくにうちの事務所辞めてますよ」
「…だな。あー、今、設計してる美術館の設計やり直したくなってきた。
妥協したとこやり直したい…いや、全体的に設計し直したい」
芦田社長は頭をガシガシと掻きながら困ったように笑った。
芦田社長って、こんなに感情を出す人なんだ。
穏やかな雰囲気を纏いながらも常に冷静な人…個人的にはそんなイメージを持っていたんだけどな。
目の前で唸る芦田社長は、どこか理香に似ていて。
だから理香はこの設計事務所を選んだんだ。