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第30章 意志 -祐樹side-
芦田社長に頭を下げて、半沢さんと社長室を出る。
事務スペースに続く廊下を数歩先を歩く半沢さんが足を止めて、俺に振り向いた。
「俺は南山のことが好きだよ。
…だから誰よりも幸せになって欲しいって思ってる。
そのためならどんな協力も惜しまないから、北宮くん的には不本意だろうけど頼ってよ」
この人も真っ直ぐだ。
本当なら自分の手で幸せにしたいと思っているはずなのに。
好きな相手の幸せを願えるほど強い。
自分が幸せになれなくても。
好きな人の未来に自分がいなくても。
この人は本当に理香のことが好きなんだ。
「…誰よりも幸せにします」
向けられた真っ直ぐな言葉に、俺はその一言しか返せなかった。
事務スペースに続く廊下を数歩先を歩く半沢さんが足を止めて、俺に振り向いた。
「俺は南山のことが好きだよ。
…だから誰よりも幸せになって欲しいって思ってる。
そのためならどんな協力も惜しまないから、北宮くん的には不本意だろうけど頼ってよ」
この人も真っ直ぐだ。
本当なら自分の手で幸せにしたいと思っているはずなのに。
好きな相手の幸せを願えるほど強い。
自分が幸せになれなくても。
好きな人の未来に自分がいなくても。
この人は本当に理香のことが好きなんだ。
「…誰よりも幸せにします」
向けられた真っ直ぐな言葉に、俺はその一言しか返せなかった。