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琥珀色に染まるとき
第12章 幸福な憂心のまま

「あぁ……西嶋さん」
自ずと悦びを漏らした唇に、音を立てる口づけを一つ。一度離れて視線を交わし、それからゆったりと深く貪られる。濡れた舌が、絡み合う。
背中に彼の左手が回されると、ふっと胸部の締めつけがなくなり、ブラジャーが肩から腕へするりと抜かれた。その柔らかな唇は首筋、そして鎖骨、さらにその下のふくらみを食んでいく。
「あっ、あっ、もっと……」
胸の先端を避けて与えられる手と唇の刺激に、思わずねだる声を発してしまう。彼は意地悪く微笑む。腕を持ち上げられ、わき下から舐め上げられてまた声をあげる。
何度も肩すかしを食らい、すでに十分に極まった胸の頂をその湿った舌にとらえられたとき、涼子はひときわ大きな喘ぎを漏らした。
悦びのため息を吐き出したのもつかの間、突起を舌先で小刻みにもてあそばれながら強く吸われた。もう片方の頂は、長い指に摘まれ、こすられる。淫らな水音と彼の荒い息遣いが聴覚も刺激する。
「やっ、そんなにしたら……あぁっ」
絶頂にも似た気配に、涼子は背を反らし、彼の頭を撫でまわした。
腹を撫で下ろす彼の手は、薄いレース生地にたどりつくと、下に指を滑らせた。胸元に顔をうずめたまま低く唸った彼は、つぶやく。
「大洪水だな、こりゃ」
「……っ」
布越しでもはっきりとわかる彼の指の感触と、その言葉の意味。極限の羞恥に泣きたくなる。
ああ、もうショーツの替えがない――と、涼子はぼんやり思った。

