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面影
第3章 出会い
『お待たせしました!』
『ん。じゃあ時間早いし、
飲みにでもいくか。』
たばこを消しながら棗さんがつぶやく。
『はい!って、なんで呼び止められたか
聞かないんですか?』
『資料。褒められたんだろ。』
『!!!』
『俺も使いやすかったよ、旭の資料。
おかげで早く終わった。アリガトな。』
女だったら一発で落ちそうな笑顔を
俺に残し、
スタスタと早足で社用車の方へ
歩く棗さんを慌てて追いかける。
… ほんと、この人は俺まで
誘惑する気なんじゃないか。
『なっ、棗さん!俺運転します!』