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面影
第4章 秘密




*・☪·̩͙ *・☪·̩͙ *・☪·̩͙ *・☪·̩͙ *・☪·̩͙ *・☪·̩͙ *・☪·̩͙



ーーー コソコソ … ザワザワ …


「…可哀想にね、まだ若かったのに」

「…棗くん。血の繋がってない”母親”と
一緒に住むんでしょ?
大丈夫なのかしら?」

「… あら、それどういう意味よ。
あははは。」

「…だって高校生よ?何があるか
分らないじゃない。ははは。」

「…それに棗くん。正樹さんに
”ソックリ”なキレイな顔してるから。」






ーーー ツー………



『 … 棗?泣いてるの?』


『 …リ……モノ…!!!』


『 えっ、なに。棗きこえないよ。』





俯いていた顔を上げ、私の方を
向いた棗の頬にはツーッと涙の跡が
残っていて、その跡を辿るように
涙が頬に伝い続けていた。



『 ……… 』


ー 言葉が出なかった。



『 …うっ、うぅ…ぐすん…』


ー 目の前で、水晶のような瞳から
涙を流し続ける棗に
私は、何も出来なかった。



ー ただ、
何も映さない虚ろな瞳から
涙を流し続ける棗は














ゾクリとするほど、
キレイな顔をしていた。






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