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面影
第5章 茉莉花
茉莉花には、
男の気配が全くなかった。
あれだけの容姿を持つのだから
例え、性格が悪かったとしても
とっかえひっかえしようと
思えば出来た筈だ。
茉莉花の場合、
あの容姿に加え、性格もイイから
尚更フシギだった。
『…棗。明日、買い物に付き合って
ほしいんだけど。』
ボーっとしていると突然、
母さんが話しかけてきた。
『あ、うん。いいよ。
でも、午前中はサッカーの
約束してるから、出れるの
お昼になっちゃうよ?』
『構わないわ。車で迎えに行くから
ついでに外でランチでもしましょ。』
『ん。分かった。』
母さんがニッコリと笑顔を向ける。
顔こそ似てないものの、
声や雰囲気、仕草は母さんと
茉莉花はよく似ていた。