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私の可愛い変態ペット
第2章  下僕転校生





いや、でもあれだ。


私の顔を覚えていないかも知れない。


日下部柚葉だなんて同姓同名は珍しいけれど、いないなんて言い切れないし…。


そもそもアノ出来事自体、忘れているかもしれないじゃないか。


白川がこちらに向かって歩いてくる。


あの頃は前髪でほとんど表情が隠れていて顔もろくにわからなかったし、こんなに格好良く変身して現れるだなんて。


けれどなぜだろう。


すぐに彼だとわかった。


だってあの頃、私はずっと彼を見ていたんだ。


出来るならばやり直したい。


まずは良い友人から…。


どうかあの事は綺麗サッパリ忘れていますように…。


ツカツカと足音が運命の秒針のようだ。


一人心臓が飛び出しそうになっている私を他所に彼はあっさりと私を通り過ぎて後の席に座った。


なんだ…セーフ。


ほっと胸を撫で下し、教壇のりゅうちゃんに視線を運んだその時だった。


後ろから頭を小突かれた。



「ワン……」



白川の声が背中にかかる。


これは…。


完全にアウトだ。








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