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私の可愛い変態ペット
第2章 下僕転校生
「こんにちは、明日香先生」
何事も無かったかの様に千草先輩があいさつをした。
「おー、明日香先生じゃん」
八頭くんまで暢気に手を振っている。
この状況をわかっているのかコイツらは…。
怒りにも似た感情が沸き上がる。
初対面じゃなかったら「アホか」とどついているところだ。
「な…何しているのかって聞いているのよっ!!」
卒倒寸前の明日香先生が叫ぶ。
「読書ですよ、先生…?」
表紙をひらひらと振りながら千草先輩が答えた。
『罪に濡れた愛欲の鎖』の文字が揺れる。
問いただされているはずの千草先輩の方が悠々としていて、余裕綽々の笑みさえ浮かべていた。
「…ど、読書?…だってそれ、いいいい…いかがわしい本じゃないっ」
「小説は芸術ですよ、先生。中でも人間関係の複雑で難解な官能小説ほど面白いものはありません。時には下品な言葉さえ耽美なものに変わりますからね…」
いけしゃあしゃあと言う千草先輩。
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