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私の可愛い変態ペット
第4章 抗争演劇部
いつだったか。
これは私がトモダチに貰ったんだ。
幼い頃、ほんの僅かな間だけ一緒に遊んだトモダチがいた。
笑顔の可愛いショートヘアーの女の子だったと思う。
ホントに僅かな期間だったので記憶がぼやけているけれど、快活な女の子だったと記憶している。
名前は何と言ったか…?
でも、綺麗な少女だった。
出会いは私が裏山でひとり泣いていた時に、彼女が声をかけて慰めてくれたところから始まった。
毎日、裏山で一緒に遊んで服を汚してお母さんに怒られたっけ。
ところがある日、彼女はいなくなった。
私に何も伝える事無く、家に帰るとお母さんがこれを抱えていた。
真っ白いウサギのぬいぐるみ。
お母さんは「知らない女の子がサヨナラって言って置いていった」とだけ告げた。
突然ふらりと現れて、突然ふわりといなくなった風の様な女の子。
彼女が残したただ一つの証だ。
風の様な彼女が確かに一時存在した事の証。
大切なトモダチの証。
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