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私の可愛い変態ペット
第4章 抗争演劇部
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「姫、不穏な気配が…」
一人の男子生徒がそっと耳打ちをした。
「ふ~ん…、転入生がね…」
その部屋には何人かの生徒が出入りしていた。
朝の珈琲を淹れたり、着替えを手伝ったりと献身的に姫のために働く、その全てが男子生徒である。
それもそのはず、ここは男子寮なのだ。
「さすが…、千草が目をかけるだけあるよ」
部屋のソファーに深く腰を掛け、珈琲カップを手に取るのは繭原馨だ。
彼はこの男子寮で姫と呼ばれている。
その名は見た目の通り、女の子の様だから名付けられたもので、むさ苦しい男子寮に咲く一輪の花。
そのため馨はこの寮において特別な待遇を受けている。
馨自身も身の回りの事を全てやりたいと志願してやってくれる生徒達がいるお陰で何もしなくて良いので、「楽で良いや」くらいに思っていた。
もっともそんな彼等の事を馨は「男の俺に姫とかバカじゃねぇの?」程度にしか思っていないのだが、便利なものは便利なので有効に使う事にしているのだった。
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