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金木犀
第2章 出会い
そう言ってぺこりと頭を下げ、乱された服を整える。
…って。
あ、あれ…?
脱がされた下着が見当たらない…
手探りで近くを探してると…ジャリ、と後ろの方で
砂利を踏む音が聞こえて、ビクッと体を震わせた。
…え?何…!?
まさか、戻ってきたの…!?
…嫌。
嫌…振り向きたくない…
寒気が一気に体に走り、震える手を握り締める。
やだ…やだ…今度こそ、ヤられる…
ぎゅっと、目を閉じた時。
「…松田さん?」
耳に届いた声に、ぱっと目を開いた。
咄嗟に振り向き、見上げると。
「…っ!?あっ、しっ、椎名くん…!?」
隣のクラスのイケメン、椎名航くん。
な、何でこんな所に!?
まだ学ランの彼は、あたしに近寄り
手を差し出してくれた。
…え!
少し躊躇いながらも彼の手を掴むと、
引き上げられて立たせてくれた。
…けど。
「…あっ、ダメ…!あたし今、凄いかっこ…っ」
「うん、見てた。男の内の1人、逃げる直前に
松田さんの下着持ってってた」
「…えっ!?ほんと!?うわぁ最悪だぁ…
…って、え?」
み、見てたって…
「…危ない所だったね。でもあんな簡単に信じて
消えてくれてよかったよ」
椎名くんが助けてくれたの!?
「うっ嘘っ…ほ、ほんとにありがとう!」