この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
金木犀
第5章 傷ついた心
怖いよぅ…
あの時の事を思い出して、眠れない。
眠れたとしても、嫌な夢を見て飛び起きてしまう。
その度過呼吸になって、誰かに必ず
付きっきりでいて貰わないとだめになった。
病院では車椅子生活で、気付いたら屋上に行き、
車椅子を降りて手すりの外に飛び出そうとする。
それを看護師さんに止められて、
部屋に戻されて扉を締められて、
パニックになって暴れて…
そんな生活が、1年…続いた。
航SIDE
「愛歩に会わせてください。お願いします…」
「しつけぇな、来んじゃねぇ!」
思いきり殴られ、地面に倒れる。
毎日毎日、この繰り返し。
愛歩に会いに病院まで行くが、
愛歩の兄貴により塞がれて会わせて貰えない。
病院の方にもそう伝えてあるのか
冷たい対応をされた。
俺がやったと思ってるのか?
ふざけんな、俺じゃない。
誰があんな酷い事するかよ。
俺はただ愛歩が好きで。
愛歩が大好きで…
毎日お見舞いに行き、泣いて帰ってくる
結衣から現状が聞くしか方法がない。
「あたしのせいだっ…あたしのせいで愛歩が…!」
愛歩を思って泣き崩れる、
結衣のせいなんかじゃない。
愛歩を守れなかった、俺が悪いんだ。