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金木犀
第6章 それぞれの思い
「だから、体の関係の延長だと思ってました。
体の相性がいいから、愛歩が可愛いから。
だから惹かれるのかって思ってた…違いました。
顔が可愛い女なんか腐る程見てきた抱いてきた…
今までの女は、体にしか興味なかったのに。
愛歩の事は、もっと…全て知りたいって思いました」
「はっ…ヤリチンかよ、自分はモテると思ってんだ?
テクニシャンだから簡単に股開くだろうって?
都合いいセフレにでも出来たらいいって思った訳。
まんまと騙されてお前に抱かれ続けて、
挙句の果てにレイプされて。…最悪じゃね?なぁ」
「っ…」
…感情の線を切れ。
今キレたら意味がない。
今吐き捨てるように言われてる言葉は…
どれも間違った事じゃないから。
「…愛歩は。愛歩の…笑顔が好きなんです」
ずっと見れてないあいつの…笑顔を思い出す。
幸せそうに笑う姿…想像すると思わず頬が緩む。
「ひまわりみたいで屈託なくて、翳りもなくて。
こっちまで笑顔になるような…
そんな愛歩の笑顔を独り占めしたいって思いました」
「…」
「他の男と話してたら腹が立つし、イライラする。
顔見たら、声聞いたら安心して、1日頑張れる。
愛歩と話してたら楽しくて、時間忘れるんです。
俺、あの事があってからご飯が喉を通らなくて…
無理矢理ビタミン剤体に流し込んで生きてるんです。
それ位、俺にとってかけがえのない子なんです」