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第2章 縄炎（じょうえん）

　一樹の言葉に、由布子は恐れを感じた。


「あの、渡辺さんとの事を知っているのに、それなのに、また、矢吹との事も許してくださったのにね、私、私、そんなこと、知ってたら、いえ、今夜どんな罰でも、お請けします。」


「由布子、お前は長年良くやってくれたからな。渡辺君とのことは、俺が九州にいて寂しい思いをさせたからな。しかし、俺の信頼を裏切ったのは事実だからな。覚悟はしておくんだな、由布子。夕食の準備を頼むぞ。」


「はい、ありがとうございます。ご主人様。」


（怒っておられるわ。どうしよう？逃げ出したい。けど、全てを知った上で、矢吹とのことも許して下さったのよ。）


　由布子がすぐに立ち上がり、エプロンを素肌の上に身に付け始めると、満足そうにそれを眺めながら一樹はリビングへ向かった。
　素肌にエプロンを身に付け、メイクをチェックしながら由布子は、


「もう、逃げてはいけないわ。九州に行かれても、ご主人様は見ていらしゃるのよ。しゃんとしなければ。罰は、考えないようにしないと。けれど、たぶん、想像するのが怖いけど、、、。」


　思わず口にだしながら、由布子は一樹の信頼を裏切ったことを後悔していた。
　先に台所に立っていた静香と並んで立ち、裸にエプロンの美女が二人、姉妹のように見えた。


「静香さん、さっきはごめんなさいね。ご主人様の命令立ったから、逆らえなかったの。」


　申し訳無さそうに言う、由布子に少しのジェラシーを感じながら、


「いえ、私も、あんなの恥ずかしくて、、レズなんて、、ごめんなさい、、けど、由布子さん、お義父様のこと色々教えてくださいね。私、何も知らなくて。」


　キッチンに並ぶ二人の美女のヒップを鑑賞しながら、一樹は、


「ふふ、由布子が静香への焼きもちを、少し和らげたか？面白いな。まっ、渡辺が来ることは教えてあるし、二人でもてなすように言ってあるから、由布子が上手くやるかな？それに、それが罰になるのは由布子が一番知ってるはずだ。それに、渡辺にもな。くくっ。」


　一樹の視線を感じながら、静香と由布子は姉妹のように夕食の準備を進めていた。


「あの由布子さん、三人分より多いんですね？誰か来るのですか？」


「あぁ、聞いてないんですね。後から、二人来る予定です。でも、食べるのは四人かな？静香さんのご存じの方がね。」