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人妻縄人形 第二章 淫華惑乱
第1章 義父の部屋で
 携帯を取り上げながら、静香を起こさないようにユックリとベッドを抜け出し、隣の小部屋に入った。


「どうしたね、由布子?泣いてちゃ、わからないだろう?」


「すみません、社長。私、どうしたらいいのか、、。」


 三宅由布子が電話の向こうで泣いていた。


「ふむ、婚約者が婚約破棄でも言い出したのかい?」


(どうかな?外れてると良いんだが?まっ、それは、それで、別の奴が彼女と結婚するだろうしな、さて、、どうかな?)


 一樹の予感は当たっていた。


「あの人、婚約解消だって、私、どうしていいか?さっきまでパリに行こうって言ってたのに?どうして、、ご主人様、教えて下さい。私、私、、、」


 由布子の混乱が哀れに感じられたが、一樹の中には黒い悪魔が高笑いをしていた。


「ふむ、そうか、矢吹君がな。そうだな、七時過ぎにここへ来るんだ、由布子。全てを忘れさせてやるよ。木谷君に話すんだ、全部をね。いいね。」


 携帯の向こうで息を飲む音が聞こえた。


「あっ、あの、いつものマンションですか?でも、若奥様とご一緒じゃないんですか?お邪魔じゃないんですか?」


(うそでしょ、あの女と一緒の部屋なんて!でも、ご主人様のご命令は絶対!お願い、邪魔だって言って!)


 由布子の密かな希望は無視された。


「由布子、遅れてもいいから、ここに来るんだ、いいね。全てを忘れさせてやれるのは、俺だけだぞ。いやなら、構わないよ。どちらを選ぶかは、お前次第だ、由布子。」


(クククッ、面白い展開になってきたな。これで、静香を遠慮せずに調教できるな。ククッ、矢吹君もバカをしたな。)


 一樹の中の黒い悪魔がパワーを増していた。
 由布子の息を飲む音が、ハッキリと聞こえた。


「ご主人様、ありがとうございます。そちらに伺います。全てを忘れさせて下さい。静香さんの前でも構いません。私を壊して、作り直して下さい。お願いします、ご主人様。」


 今度は一樹が息を飲む番だった。


(壊して、作り直すか?いや、焦るなよ。木谷君と話させてからだな。まっ、由布子をもう一度壊してやってもいいな。)


 携帯を握り直しながら、


「由布子、壊してやるよ。そのあと、もう一度作り直してやる。静香も今夜壊す予定だ。お前の知り合いを呼んであるから、楽しみにして来るんだ。いいね。」
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