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第1章 きみの名前を呼ぶ

「ん、は、んぅ、……んぁ」


唾液が絡み合い、舌がもつれあい、合わさった唇の隙間から、くちゅ、くちゅと淫らな水音が漏れ出る。


いつもは恥ずかしがって、「もっと舌出して」って促さないと引っ込んでしまう先輩のそれが、今日は一生懸命に俺に応えた。


その拙い動きがやけにいとおしくて、ついどこまでもどこまでも貪ってしまう。


あー、キス気持ちいい。キスだけでこんなに気持ちいいのに、この先俺、もつんだろうか。


……そうだ、この先、してもいいんだった。


「ぷは、」


名残惜しさを我慢して、唇を放す。


ちゅ、ちゅ、と首筋を吸いながら、グレーのスウェットに手を掛ける。


先輩の体がびくりと跳ねた。