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はじめてをきみに
第1章 きみの名前を呼ぶ

「翔太、翔太、しょうた……!」


先輩が耳元で俺の名前を呼んで、ぎゅうっと抱きついてきた。


快楽の果てを目の前にしたとき、こうして名前を呼ばれるとすごくうれしいのはなんでなんだろう。


「先輩、好き、すげえすき」

「私も好き。んんっ、あっ、……ね、翔太、」

「ん?」

「なまえ、よんで」


――ああ。分かった。名前を呼ばれるとうれしい理由。


俺が気持ちいいとき、楽しいとき、うれしいとき、さみしいとき、いつだって隣に求めているのは、きみだけだからだ。


俺はきっとこれから、何度も何度も、きみの名前を呼ぶよ。気持ちいいとき、楽しいとき、うれしいとき、さみしいとき。

何度も、きっと。


「――みのり」


きみも同じように、そうやって俺の名前を何度も何度も呼んでくれたらいいな。


今はただ、祈るようにそう思うよ。


「みのり、みのり、……っ、あ」

「翔太、あ、あっ、あ、あああああ!」


奥の、奥まで打ちつけて。


びくびくっ、と先輩の体が大きく震えたのをたしかめて、俺はそれを子宮の入り口に押し付け、長い長い吐精をした。



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