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はじめてをきみに
第2章 据え膳が前のめり

ムカムカしてきて、あたしは衝動的に通話ボタンを押した。


相手はもちろん遼平だ。静かに応答を待つ。


「……はいはい、亜衣?」


きっちり3コール後、奴は電話に応答した。その声の呑気なこと。

それを聞いた瞬間、あたしの中の何かが爆発した。


「サイテー! 遼平なんか嫌い!」


それだけを言い放って、一方的に電話を切った。


自分でもびっくりするほどの大声が出た。鼻息も荒くなる。


放課後の食堂、人はまばらだけれど、ちくちくと視線が刺さる。


……あー、もう、やだ。と思って机に顔を伏せたら、自分の脇に置いたオシャレな紙袋が目に入った。


今日、学校に来る前に、ふらりと寄ったランジェリーショップで買った下着。


今日こそは、なんて。ほんと馬鹿みたい。あたし。



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